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一言居士の独言

桂報告書に対する疑義(その5)

桂報告書スライドに以下のようにある。

ChIP-SeqやRNA-Seqなど公開データに関する疑義
1.細胞株/マウス系統が論文や公共データベース登録内容と異なっている

(公開データの件)
㉗表は縦がa.STAP、b.STAP幹細胞、c.FI幹細胞の三種だが、細胞株はそれぞれたくさんあるがどうして三種の分類なのか。すべてリストアップ願いたい。横はd.論文/DB、e.ChIP-Seq、f.RNA-Seqの三分類だが、dの論文とDBは違うから二つに分けていただきたい。fもTru-SeqとSMARTerと二つに分けていただきたい。
その上で④⑤で問うた如く、129B6F1 CAG-GFPに関して、このCAG-GFPはホモなのかヘテロなのかの区別を明確にしていただきたい。小保方さんは論文のF1のCAG-GFPはすべてB6側のヘテロ。スライドのデータがヘテロの意味ならその通りだが、ホモであれば論文にはそんなマウスは記載されていない。DBの表示はF1に関してはC57BL/6x129/Svと書かれていてGFPの表示はない。実際に検査の結果と照合するためにも、論文、データベース、若山さんの事後証言の区別をつけて置いていただきたい。
DBの<C57BL/6x129/Sv>としたのもすでに⑤で問うてあるとおり、小保方さんなのか、ラボ仲間の手伝いをしてくれた人なのか、理研からの登録時の事務関係の方なのかを確認しておいていただきたい。小保方さんはArticle Extended Data Figure 7-bの表とdのキャプションでB6GFPx129/Sv と129/SvxB6GFPをルールに従ってかき分けているように見える。


㉘桂報告書10Pに以下のような記述がある。
>>
なお、Article のメソッドに、129/Sv carrying Rosa26-gfp からキメラ寄与能を有する STAP 幹細胞が樹立された、との記述があるが、129/Sv carrying Rosa26-gfp マウスは理研 CDB に導入された記録や飼育記録はないことから、 これは誤記と考えられ、若山氏の説明によればここで言及された STAP 幹細胞は AC129 であった可能性が高い。

上記、アーティクル論文の対応個所は以下である。
>>
We tested the following three different genetic backgrounds of mice for STAP stem-cell establishment from STAP cell clusters, and observed reproducible data of establishment: C57BL/6 carrying Oct4-gfp (29 of 29), 129/Sv carrying Rosa26-gfp (2 of 2) and 129/Sv × C57BL/6 carrying cag-gfp (12 of 16). STAP stem cells with all these genetic backgrounds showed chimaera-forming activity.

また、この小保方さんはRosa26-gfp に関してはLetter Figure 1-aに関する以下の本文上で129/Sv carrying Rosa26-gfp背景のESがあるという認識でいる。
>>
We became particularly interested in this question after a blastocyst injection assay revealed an unexpected finding. In general, progeny of injected ES cells are found in the embryonic portion of the chimaera, but rarely in the placental portion (Fig. 1a; shown with Rosa26-GFP). Surprisingly, injected STAP cells contributed not only to the embryo but also to the placenta and fetal membranes (Fig. 1b and Extended Data Fig. 1a–c) in 60% of the chimaeric embryos (Fig. 1c).

このレターのa画像は若山さんよりES画像ではなくSTAP画像であると取り下げ理由に掲げられている。しかもキャプションにCAG-GFPと書かれている。ここに小保方さんのどんな勘違いがあったかは別として、小保方さんの認識ではこの129/SvはRosa26遺伝子のプロモーター下にGFPが組み込まれていて、通常はLoxpに挟まれたSTOP配列によってGFPは発現しないように設計されている。Cre酵素の発現はCD45抗体遺伝子のプロモーターに連結されていてCD45陽性細胞でのみ発現し、従って、CD45発現血球以外ではCreの発現しないようなマウスを使用している。結果、このGFPが発現したということはCreが発現してLoxpを分解し、STOP配列を切り落としてしまった、即ち、間違いなくCD45抗体の発現している血球細胞由来のSTAP細胞から作られたキメラであるという証明のための実験だと理解していたことになる。
その上、彼女はこの129/Sv carrying Rosa26-gfpマウスから、STAP細胞とES細胞が作られて、どちらもキメラが作成されたと認識し、前者からはSTAP幹細胞が(2 of 2) の100%確率で作られて、STAP幹細胞からのキメラも作られたと信じていることになる。そしてSTAPキメラの胎盤ではGFPが光り、ESの胎盤では光ってないという画像を掲載しようとしていたということになる。
桂報告書は129/Sv carrying Rosa26-gfpマウスのESキメラが作成されたか否かに関して直接の言及がないが、登録データには調査のないまま129/SvのEpi stem cellsもあって、これほど具体的な実験に関して<誤記と考えられ>たり、<不注意による間違いと思われ>たりすることはできないのではないか。<129/Sv carrying Rosa26-gfp マウスは理研 CDB に導入された記録や飼育記録はないこと>の証拠書類の開示を願いたい。因みに、丹羽さんの検証実験ではとある。
また、STAP細胞の胎盤寄与率がLetter Figure 1-bにあって10個の胎盤のうち6個に貢献があったとされている。今分かっているSTAP細胞由来の胎盤はこの129/Sv carrying Rosa26-gfpの2個と3月頃に最初に蛍光確認された時の、手記曰く、<いくつかの>、胎盤だけである。他にもあるのかどうか若山さんの研究ノートによって残り8個の具体的な実験を確認願いたい。また最初の実験が胎盤が光ることの確認実験であったということも考えにくいので、そもそも何のための実験であったのか確認願いたい。胎盤が光るということを予測しての実験であれば、この実験が若山さんのアイディアで、小保方さんの始めたことでないことがわかる。因みに、このことは桃子本107Pの小保方さんが持ってきたという記述が若山さんが作ったという事実を覆い隠す悪質なレトリックであることを示唆することになる。
㉙桂報告書スライドに<2.FI幹細胞のRNA-Seqデータは二種類の細胞種を持ったサンプルに由来する。>とあって下に表が添付されていされている。表は、a.2012年8月 129B6F1 Acr-GFP/CAG-GFP、b.2013年1月 129B6F1 Acr-GFP/CAG-GFP、c.2013年1月(最終) B6 Oct4-GFP+α、であるが、桂報告書本文には<第 1 回目の GRAS による RNA-seq データ解析結果が想定していたものと異なっていると の理由により、小保方氏らは、再度サンプルを2013年1月および6月にGRASに提供し (TS 細胞 1 種類(TS2)および FI 幹細胞 2 種類(FI-SC2、FI-SC3))、データの再シークエンスを 実施した。(16P)>とあるので、③の2013年1月(最終) は6月の間違いではないか。間違いなら訂正願う。
㉚また、8月、1月、6月のGRAS への提出が月内で数回に分かれている可能性もあるので、日付別に分類願いたい。このことは特に小保方さんの提出した酸浴STAP細胞の生存期間が短いこともあって、直前に行われている実験との照合に必要な情報である。開示願いたい。
㉛次に、公開データベースに登録された酸浴STAP細胞について、8月のGRASへの提出日の7日から14日前の間に129B6F1(アグーチ)もしくはB6129F1(アグーチ)を渡して何か実験を行っていたか否かを若山さんの実験ノートで調査して追加報告願いたい。この直近に129/Svの実験が行われているが、129/Svは毛色が白であるので、小保方さんがこのマウスを渡されて混同することはない。公共データベースに提出されている酸浴細胞はアグーチであることは明らかなので、近辺で行われている実験が何であるか、若山さんの実験ノートで開示説明願いたい
㉜桂報告書17Pの下記評価に関して、<小保方氏が様々なバックグラウンドの細胞を寄せ集めて RNA-seq 解析、ChIP-seq 解析 を行ったことは自明であ>るとされる<小保方さん>のみの仕業だという証拠が添付されていない。読者には提出作業の具体的な経緯が全く自明でない。まず、小保方さんの当時の身分は客員ポスドクなので勝手にGRASに対して解析依頼しても受け付けられるはずもない以上、8月の解析にはGRASへの若山さんの解析依頼書が提出されているはずなので若山さんの押印のあるその書類を公開願いたい。加えてこの実験でのラボメンバーの実験ノートのコピーを検証して仕事の分担がどうであったかを表にして報告書に加えていただきたい。
>>
(評価) 小保方氏が様々なバックグラウンドの細胞を寄せ集めて RNA-seq 解析、ChIP-seq 解析 を行ったことは自明であり、論文の記載や公共データベースに登録時の記載と異なる系 統や GFP 挿入のあるマウスの使用や、本来比較対象とならないデータを並べて論文に使 用したことは不正の疑いを持たれて当然のことである。しかし、聞き取り調査などを通 じて小保方氏は「条件を揃える」という研究者としての基本原理を認識していなかった 可能性が極めて高く、意図的な捏造であったとまでは認定できないと思われる。一方、 FI 幹細胞データに関しては当初の解析結果が同氏の希望の分布をとらなかったこと、そ れにより同氏が追加解析を実施していること、当初解析結果と追加解析結果で使用した マウスの種類も含め結果が異なること、複数細胞種を混ぜた可能性が高いこと(故意か 過失かは不明)から不正の可能性が示されるが、どのようにサンプルを用意したかを含 め同氏本人の記憶しかないため、意図的な捏造との確証を持つには至らなかった。よっ て、捏造に当たる研究不正とは認められない。 なお、RNA-seq はライブラリ調製の前までを小保方氏が行った上で GRAS がシークエン スしており、GRAS 内に残されていたオリジナルデータの確認により、シークエンス後に 計算機上で混ぜられたものではないことが確認されているため、GRAS に持ち込まれた段 階で混入していたと考えるのが妥当である。
㉝上記、論文の記載や公共データベースに登録時の記載と異なる系 統や GFP 挿入のあるマウスの使用や、本来比較対象とならないデータを並べて論文に使 用したことは不正の疑いを持たれて当然のことである。>とある部分に関し、<使用した>という述部の主語は小保方さんだとしか解しえないが、これが事実なら不正ではなく、捏造であるから、証拠を提示して、小保方さんの捏造だと書くか、さもなければ<様々なバックグラウンドの細胞を寄せ集めて RNA-seq 解析、ChIP-seq 解析 を行った>結果の責任が誰にあるのかが分からないと書き直すかして訂正願いたい。
㉞更に<しかし、聞き取り調査などを通 じて小保方氏は「条件を揃える」という研究者としての基本原理を認識していなかった 可能性が極めて高く、意図的な捏造であったとまでは認定できないと思われる。>という部分に関し、マウス背景もGFPの種類も論文、もしくは若山さんの証言と違っていたという分析結果が捏造だという認識でなく、「条件を揃える」という問題であるとの頓珍漢な判断になった理由を説明していただきたい。加えて小保方さんが<研究者としての基本原理を認識していなかった 可能性が極めて高>いことを示す証拠もしくは根拠を提示願う。それから、<思う>の主語は誰かということを明示して、なぜ報告書に事実の説明もない<思い>を書き込んだのかの理由を説明願う。分らないことに関しては③を守っていただきたい。
㉟上記㉘において触れた129/SvのEpi stem cellsに関して、この解析のためにGRASに試料が持ち込まれたのは8月か1月か6月かを確認願いたい。持ち込み日が分かれているなら日付もお願いしたい。AC129とやらの培養開始は2012/8/13となっていて樹立が9/4とされている。この実験のマウスの手渡しは8月の5,6日ということになる。AC129とやらは無論8月の解析には提出され得ないが、これ以前に129/SvのEpi stem cellsが作られていたから8月の提出に間に合ったのか、それともこれは8月以降に作られていたが、1月か6月に小保方さんが論文リヴァイズ時の必要から解析に出したものなのかを確認願いたい。そしてもし後者であるのなら桂報告書の中のGRASへの提出経緯の中でなぜFI-SCとTSの再解析のみでなく、このことに触れなかったのかの説明を願いたい。無論、前者であるなら、129/Svの実験は2012/8/13培養開始以前から始まっていて、小保方さんはこの129/Sv関係の酸浴STAP細胞作製を若山さんに2度作らされていることになる。この確認は129/Sv carrying Rosa26-gfpの問題解明にも関係してくる大事な情報になる。
  1. 2019/05/07(火) 14:03:12|
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